腎臓内科 nephrology
腎臓内科
腎臓の機能には、体に不要となった老廃物を尿として排出する機能、体内の水分バランスを調整する機能、血圧を調整する機能などがあります。腎臓の病気になると、こうした機能が損なわれるのですが、初期の段階では自覚症状があまりないです。
そのため、健康診断を受けたときに、タンパク尿や血尿(尿潜血)を指摘されてから医療機関を受診されるケースも少なくありません。腎臓の病気を放置していると、腎不全などを引き起こし、人工透析が必要となる場合もあるので、なるべく早い段階で腎臓内科を受診することが大切です。
腎臓内科で扱う主な症状
- 尿検査で尿潜血やタンパク尿を指摘された
- 健康診断などで腎機能が悪いと言われた
- 尿に泡立ちがある
- 尿の色や性状に異常がある
- むくみがある
- かゆみがある
- 近親者に腎臓病の患者さまが多くいて不安 など
急性腎炎
急性腎炎になると、腎臓の糸球体が炎症を起こし、タンパク尿や血尿、むくみ、倦怠感、高血圧などの症状がみられるようになります。原因は様々ですが、例えば溶血性連鎖球菌の感染によって起こります。のどや皮膚の炎症が治まってから1~2週間後に血尿などの症状が現れたときは、急性腎炎の可能性があるので、早めに受診してください。
慢性腎炎
慢性腎炎になると、タンパク尿や血尿などの症状が1年以上続きます。なお、慢性腎炎には様々なタイプがあり、腎生検して診断します。日本人によくみられるタイプとして「IgA腎症」があります。これは糸球体にIgAが沈着する病気であり、2~3か月かけて徐々に組織が破壊されていきます。初期の段階では無症状のことが多いのですが、治療せずに放置していると、人工透析が必要になることもあります。
糖尿病性腎症
糖尿病性腎症は、糖尿病の三大合併症のひとつです。高血糖状態が長い期間続くことによって全身の動脈硬化が進行し、腎臓においても血管が壊れたり破れたり詰まったりして、老廃物を濾過することができなくなります。さらに悪化すると、人工透析が必要になります。
ただし、急に尿が作れなくなるわけではなく、段階を経て病状が進行していきます。そのため、できるだけ早期のうちに発見し、適切な治療を開始することが大切です。
ネフローゼ症候群
ネフローゼ症候群は、尿にタンパク質がたくさん漏れ出てしまうために血液中のタンパク質が減り、その結果むくみや倦怠感などの症状が起きる病気です。ネフローゼ症候群の原因はさまざまであり、腎生検を含めた検査を行い、治療の方針を決めます。
慢性腎臓病
慢性腎臓病は腎機能が慢性的に低下している状態をさす総称です。新たな国民病として注目されています。血液、尿検査等によって腎機能低下や、尿タンパクなどが3カ月以上にわたって確認されると慢性腎臓病と診断されます。そのため、慢性腎炎、腎硬化症、糖尿病性腎症などの慢性的に経過する腎臓病が原因となります。
多発性嚢胞腎
多発性嚢胞腎は、左右の腎臓にできたたくさんの液体で満たされた袋状の構造物(嚢胞)が徐々に大きくなり、進行性に腎機能が低下する病気です。遺伝する腎臓病で最も頻度が高いと言われています。高血圧、脳動脈瘤、肝嚢胞などを合併します。進行抑制のために薬物療法を行うことがあります。